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西尾「拙者の名は、西尾仁左衞門と申す。そなたは、真田左衞門佐殿と御見受けする。」
西尾仁左衞門は素槍を構え、言った。
真田「如何にも儂が左衞門佐じゃ。」
真田左衞門佐と名乗った武将は、返り血を浴びた赤備えの鎧を纏い、十文字槍を地にさし、木にもたれていた。
西尾「なれば、いざ拙者と手合わせ願いたい。」
真田「手合わせしても良いのだが、もう儂にはそのような力はもはや残ってはおらぬ。なれば、この首そなたにやろう。この首を持って徳川殿に見せれば何らかの褒美は貰えよう。」
自分の首を指差して言った。
西尾「…わかり申した。されば、御免!!」
ザシュッッッッ!
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