糖度100% 4×taem

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「砂糖は、たくさん」 4人分のマグカップにコーヒーを淹れるキボムヒョンに、「ぼくのも」と言って自分のマグカップを差し出した。 「テミナにはミルクティー作ってあげようと思ってたのに」 キボムヒョンは、少し驚いて、僕のマグカップを受け取った。 椅子に座りながらふふ、と笑うミノヒョン。 ソファで携帯片手にこちらを伺うジョンヒョニヒョン。 ジョンヒョニヒョンの隣に座りこちらを見て微笑むジンギヒョン。 「僕だけ違うなんて、仲間外れみたいでイヤ」 キボムヒョンと目をあわせると、ふにゃ、と微笑んで、僕の頭を撫でた。 「仲間外れじゃないよ~」 頭を撫でつつも、僕の髪の毛を整えて、うふふ、と笑うキボムヒョン。 (キボムヒョンは、お母さんみたいで、すき。時々うざいけどね。) 「テミナにはミルクティーが似合う」 ミノヒョンの言葉で、キボムヒョンの僕の頭を撫でていた手が止まり、僕はミノヒョンの方へ向き直った。 「ミノヒョンには、コーヒーが似合うね」 コーヒーは苦いから、と付け足したのに、ミノヒョンは「ありがと」って言った。うわぁ。 (ミノヒョンは、憧れ。かっこいい。完璧。) すると、ソファにいたジョンヒョニヒョンが僕を手招きして、「テミナー、こっち座りなよ」と言ってソファをぽんぽん、と叩いたから、僕はジョンヒョニヒョンの左隣に座った。 (ジョンヒョニヒョンの歌声は、憧れ。すごい。) ジョンヒョニヒョンの右隣にいたジンギヒョンが、いつの間にか僕の左にきて出来上がったコーヒーを机においた。 「熱いから、気をつけてね」 そう微笑んで「はーい」と返事をしたら、また頭を撫でられた。 (ジンギヒョンは、心地いい。隣にいたくなる。優しくて、すき。) ヒョン達は、本当にやさしい。 僕に、たくさんの温もりをくれる。 コーヒーを少し飲んだら、やっぱり少し苦かった。 でも、あったかい。 (包まれたみたいに) 4人分の温もりを感じて、下の方で固まってしっかりと溶けていない砂糖を、スプーンでかき回した。 .
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