プレゼント

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
貴方がくれたプレゼント。 今も私の耳に…あの時の気持ちと共に。 「プレゼント、何がいい?」 「何でも~」 「逆に難しいから。」 「ん~…じゃぁ、ピアスがいいな。」 こんな簡単な会話で決まったプレゼント。 「約束の渡すよ。」 こんな簡単なメールで渡されたプレゼント。 「つけた?」 「うん。」 「似合うじゃん。」 微笑みながらピアスをいじり、ピアスの近くで囁いた。 覚えてる? あの日はみんなでカラオケに行ってた。 周りの大音量は2人の距離を近くした。 みんな変な目で見てたんだよ? でも、私はみんなの目より怖いものがあった。 それは顔が赤い事を貴方に気付かれる事。 貴方は絶対からかうでしょ? 貴方の声をあんな傍で聞いたのは久し振りだった。 鼓動が早過ぎて、壊れたかと自分でも思った。 「どした~?こっち向いてちゃんと見せて。」 貴方の声が全身を駆け抜けて、ゾクリとしたことを覚えてる。 その後、私は必死に歌ったり、他の子と話したりした。 そして私達は2人で、私の部屋に帰ったね。 貴方の車でやっと2人になれた。 私の部屋まで手を繋いで歩いた。 ゆっくりと2人して寝ころんでいたら、イキナリ貴方は起き上がり、思い出したように言った。 「ピアス…もう一回つけてよ。」 貴方が私にした頼み事。 私は迷いなくつけた。 「やっぱ似合ってるじゃん。」 そう言って貴方は私に笑顔もくれた。 真っ赤になって俯いた私を見て、貴方はとても面白そうだった。 「何赤くなってるワケ?かーわいいなぁ~。」 貴方のその一言に、私はもの凄く恥ずかしくなって、クッションを貴方に投げつけた。 それでも笑いの止まらない貴方。 「……言い忘れてたけど、ありがとう。嬉しいよ。」 ぶっきらぼうにお礼を言う私。 笑うのをやめる貴方。 「どういたしまして。それ買うの結構恥ずかしかったんだぞ。…でもお前との約束だったからさ。」 そう言って貴方の手が私の頭を優しく撫でてくる。 ピアスを買う貴方の姿を想像して、少し笑ってしまった。 それを貴方に気付かれ、2人はそのままじゃれ合った。 貴方がくれたプレゼント。 今も私の耳に…あの時の気持ちと、貴方と共に。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!