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貴方がくれたプレゼント。
今も私の耳に…あの時の気持ちと共に。
「プレゼント、何がいい?」
「何でも~」
「逆に難しいから。」
「ん~…じゃぁ、ピアスがいいな。」
こんな簡単な会話で決まったプレゼント。
「約束の渡すよ。」
こんな簡単なメールで渡されたプレゼント。
「つけた?」
「うん。」
「似合うじゃん。」
微笑みながらピアスをいじり、ピアスの近くで囁いた。
覚えてる?
あの日はみんなでカラオケに行ってた。
周りの大音量は2人の距離を近くした。
みんな変な目で見てたんだよ?
でも、私はみんなの目より怖いものがあった。
それは顔が赤い事を貴方に気付かれる事。
貴方は絶対からかうでしょ?
貴方の声をあんな傍で聞いたのは久し振りだった。
鼓動が早過ぎて、壊れたかと自分でも思った。
「どした~?こっち向いてちゃんと見せて。」
貴方の声が全身を駆け抜けて、ゾクリとしたことを覚えてる。
その後、私は必死に歌ったり、他の子と話したりした。
そして私達は2人で、私の部屋に帰ったね。
貴方の車でやっと2人になれた。
私の部屋まで手を繋いで歩いた。
ゆっくりと2人して寝ころんでいたら、イキナリ貴方は起き上がり、思い出したように言った。
「ピアス…もう一回つけてよ。」
貴方が私にした頼み事。
私は迷いなくつけた。
「やっぱ似合ってるじゃん。」
そう言って貴方は私に笑顔もくれた。
真っ赤になって俯いた私を見て、貴方はとても面白そうだった。
「何赤くなってるワケ?かーわいいなぁ~。」
貴方のその一言に、私はもの凄く恥ずかしくなって、クッションを貴方に投げつけた。
それでも笑いの止まらない貴方。
「……言い忘れてたけど、ありがとう。嬉しいよ。」
ぶっきらぼうにお礼を言う私。
笑うのをやめる貴方。
「どういたしまして。それ買うの結構恥ずかしかったんだぞ。…でもお前との約束だったからさ。」
そう言って貴方の手が私の頭を優しく撫でてくる。
ピアスを買う貴方の姿を想像して、少し笑ってしまった。
それを貴方に気付かれ、2人はそのままじゃれ合った。
貴方がくれたプレゼント。
今も私の耳に…あの時の気持ちと、貴方と共に。
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