火あぶり

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「あづいよお!!あづいよう!!誰かぁ!助けてえ!!」 余熱により相変わらずただれている乳房は、もはや原型を留めていなかった。 肉の焦げた様な臭いと味わった事の無い痛みに、由実は悶え叫び続けていた。 男は由実の頭に、その大きな手を置く。 「さて、今から由実ちゃんには休憩時間を与える。ゆっくり体を休めるんだよ」 カチャ…カチャ… そう言って、男は由実の拘束具を外した。 由実は思い切り走りだし、辺りを見渡す。 男を見て、ゾッとした。 身長190cmはあるであろうその男は、顔に仮面を付けていた。オペラ座の怪人に出てくる様な仮面だ。 そして、その男の5m程後ろに扉があるのを由実は見つけた。 思考よりも早く由実の体は動き出す。一目散に扉に走り、ドアノブに触れた。 バチッバチンッ!!
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