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聡は、絶頂を迎え、ひろ美に腕枕をしようとしたが、ひろ美は拒んで、腫れ上がった頬をかばいながら、聡から背を向けた
「ひろ美……」
聡が後ろから抱き着くが、ひろ美は、体が硬直したままだった。
「触らないで……」
もう……嫌だ……。夫婦がこんな風にこじれてしまうと、なかなか修復できない……。
今例え仲直りしても、何でもない事で、喧嘩になり、お前だって……いう事があっただろ!
貴方だって……じゃない!と、過去に遡る結果となる。
……、いや、それより、あたしの気持ちが、無理、もう一緒にいるのも、嫌だ……!
初めて、夫の聡に対して、完全に愛情のかけらもない事に気付いた。
「俺、もう浮気はしないし、ひろ美に男がいる、て知った時点で、本当に解ったんだよ……、
ひろ美はいつも、こうやって、苦しんできたんだ、て。
初めて、判った。だから………」
ひろ美は、夫から離れて、ベッドから降りた。
洗面所へ向かい、タオルを水に濡らして絞った。
腫れ上がった頬を、タオルで冷やしながら、聡を睨み付けた。
「ここまで、やったんだから、もう満足でしょ。 携帯、返してもらうわよ……!」
テーブルに置いてある自分の携帯を、バッグにしまった。
左頬が、完全に腫れ上がってるので、口も満足に開けない……。 言葉を発するのも、辛いくらいだ。
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