出会い(魔鬼章)

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最近は、カラオケなんて行ってなかった。 深雪はしょっちゅう友達と行ってるらしいけど……。   深雪も、やはり、亮の事件以来、荒れていた。  外見、行動も、がらっと変わった。    何度も補導されては、警察署に迎えに行っていた。  「ママ、演歌禁止ね。あ、でも、あれはいいよ」   「あれ……、て、もしかして坂本冬美の、夜桜お七?……」 「そう、それ……」   さっきのゲーセンでの事は、深雪には黙っておいた。   夜7時には、家に戻り、カラオケで撮ったMovieを見てた……  ……、しゃくらしゃくらはんなふぶき~~♪……  阿保だぁ……! 深雪の13才の誕生日に亮と3人で、やっぱりカラオケ屋でお祝いしたのを思い出した。   あの日も、まき、夜桜お七歌ったっけ。  で、ランキング1位、亮はなんと……「金太の大冒険」歌って……、あれ、確か発売禁止になってた曲なんだが、  「なんであんたがあの歌知ってんの……?」   と聞いたら、 ママはなんで知ってんの……?  と、逆に聞かれた。  まさか、こんな事になるなんて。 あの時は思いもよらなかったし、こんな時間は、いくらでもある、なんて思っていた。  メールを受信した……。   「まき、帰ってきた?」   急に涙が零れた。
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