修羅場(ひろ美編)

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その日、早めに仕事が終わり、夫の聡にメールした。   「早めに終わったから、先に祐輔迎えに行くから……」   「祐輔は、お義母さんに頼んだ。すぐ行くよ。俺も、もう終わるから」   は……?珍しい。  自分から、母に頼むなんて。   メール受信、智昭からだ   「ひろ美、仕事終わった……? 今日は、帰って、ゆっくり休むといいよ。   まぁ、ちびちゃん達いて、ゆっくりもできないだろうけど……」   「有難う。智昭はまだ終わらないの?」   「これから、接待という名の飲み会…(>_<)」   「大変だね……、体には、気をつけて」   「ひろ美こそ。大事なひろ美が倒れたりしたら……、心配だよ!   愛してる……」   「愛してる…智昭」   送信を押したが、受信メールに妨害された……。   夫の聡だった。   「今着いた……」   見ると、道路の反対側に、白いワンボックスカーが停まっている。聡の会社の車だ……。   ひろ美は携帯をしまって、夫への車へ向かった。   夫は、殆ど、口を聞かない……。   「話って……?!」   「……………」   ……………?!車のルートが、家へと向かってない……。   「どこへ行くの?」   「ビールでも買ってくか……。俺は飲まないけど……」   聡は、コンビニ前で車を停めて、買い物を済ませ、再び、車を走らせた。   車は、なんと、智昭とよく入るホテルの前へ、停まった。   「ち、ちょっと……どういう事……?」   「ここかぁ、で、これが入口ね……、て事は、お前ら、このホテルへは、車でなく、歩きで来てる訳か……。  まったく、3人も子供のいる母親を、たぶらかすとは………、  物好きな男も、世の中にはいるんだなぁ……」   聡の手には、ひろ美と智昭がホテルの前で、キスしてる写真……、 ホテルへと入っていく写真、などが、握られていた。   「それ………?!」   ひろ美からの問い掛けには答えず、聡は、ホテルの駐車場へと、入って行った。
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