484人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
その日、早めに仕事が終わり、夫の聡にメールした。
「早めに終わったから、先に祐輔迎えに行くから……」
「祐輔は、お義母さんに頼んだ。すぐ行くよ。俺も、もう終わるから」
は……?珍しい。
自分から、母に頼むなんて。
メール受信、智昭からだ
「ひろ美、仕事終わった……? 今日は、帰って、ゆっくり休むといいよ。
まぁ、ちびちゃん達いて、ゆっくりもできないだろうけど……」
「有難う。智昭はまだ終わらないの?」
「これから、接待という名の飲み会…(>_<)」
「大変だね……、体には、気をつけて」
「ひろ美こそ。大事なひろ美が倒れたりしたら……、心配だよ!
愛してる……」
「愛してる…智昭」
送信を押したが、受信メールに妨害された……。
夫の聡だった。
「今着いた……」
見ると、道路の反対側に、白いワンボックスカーが停まっている。聡の会社の車だ……。
ひろ美は携帯をしまって、夫への車へ向かった。
夫は、殆ど、口を聞かない……。
「話って……?!」
「……………」
……………?!車のルートが、家へと向かってない……。
「どこへ行くの?」
「ビールでも買ってくか……。俺は飲まないけど……」
聡は、コンビニ前で車を停めて、買い物を済ませ、再び、車を走らせた。
車は、なんと、智昭とよく入るホテルの前へ、停まった。
「ち、ちょっと……どういう事……?」
「ここかぁ、で、これが入口ね……、て事は、お前ら、このホテルへは、車でなく、歩きで来てる訳か……。
まったく、3人も子供のいる母親を、たぶらかすとは………、
物好きな男も、世の中にはいるんだなぁ……」
聡の手には、ひろ美と智昭がホテルの前で、キスしてる写真……、 ホテルへと入っていく写真、などが、握られていた。
「それ………?!」
ひろ美からの問い掛けには答えず、聡は、ホテルの駐車場へと、入って行った。
最初のコメントを投稿しよう!