修羅場(ひろ美編)

10/30
484人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
テーブルに置いてある、書類、何枚もの写真……、  そして、相馬の妻からの手紙、ひろ美は手に取り、聡に言った。  「読むわよ……」   聡は、黙ってた。  「突然ですが、私の夫、相馬智昭は、奥様の瀬崎ひろ美さんと、お付き合いしてるようです。  同封の写真は、その証拠。   私は、これからの事を、主人と話し合おうと考えてます。……………」   は?これだけ……。   「おかしいわね。智昭には一言も、奥さんから、話とかないみたいよ。   こんな真似するんなら、話し合いでも、喧嘩でもしてからするべきじゃない……。   私は、仕事辞めたわ。  部長に、智昭との事、奥さんから聞いて知られちゃったから。   あ……、そうそう、奥さんから慰謝料請求されて、それ払ってやるから俺の女になれ、とも言われた。  男、て、それしか頭にないのね……。  貴方みたいに、若い女がいい、て言う奴もいれば、あたしみたいなおばさんでも、できるんならいい、て部長みたいな男もいるけど、考えてる事は皆、同じだわ……!   あたしも、智昭も悪いけど、こんなやり方どうかと思う。そして……、   貴方もね……!」   もう、開き直っていた。   あそこまでされて、怒りが頂点だった。 どんなに、逆上してるから、て、女にここまでできるものなの……?!   あの部長にも、この痛みぶつけてやりたいくらいだわ。   どうせ、男には手など挙げられないくせに。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!