66人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は特別な記念日や休日ではなく、普遍的に続く平凡な日だった。
普通に両親、妹と食事をとり、後はベットに入り就寝するだけ。
ただ一つ違ったことがあるとすれば、気まぐれに妹を驚かすため、少年はベット下の隙間に隠れていることだった。
埃臭い空気に我慢するのにも、ほとほと嫌気がさしてきた時、身を強張らせるほどの轟音が屋敷に響いた。
それに続く、幾つかの銃声と聞いたことの無い悲鳴。
(悲鳴?)
それは普通に生活する中では耳にすることが無く、まさか身内の断末魔だとは気付くことはなかった。
(なんだ……怖い……それに寒いし……)
異常な空気が屋敷を支配しているなか、ただベットの隙間で震えることしか出来ず、また一つの断末魔が響く。
最初のコメントを投稿しよう!