西田慶太:10/1

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10/1、久しぶりに友達の所にでも行こうと思い、いつもとは違う道を通っていた。       その友達というのは司馬錬といい、いわゆる不登校というやつで、あまり学校で顔を見たことがない。       小学生の時はいつも学校に来ていて、よく二人で遊んだり話したりして過ごしていた。       それが中学になって来なくなった。厳密には一学期の前半までは来ていて、7月頃から来なくなった。       そして10月に入った今なお、彼が学校に来る気配はない。       夏休みに一度だけ彼に会った。彼は普段と変わらない素振りで、僕に接してきた。       その時に、何で学校に来ないのかを聞いてみたが、彼は「なんとなく」と答えるだけだった。       そして僕は今日『なんとなく』彼に会いたいと思った。
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