西田慶太:10/1

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彼の部屋は二階にある。築何年かは知らないが、階段の一段一段を踏む度にキイキイという、やや不安な音がした。       彼の部屋の様子はさほど変わっていない。無造作に散らばった教科書類や雑誌類、壁に貼られたポケモンのシール(ちょっと増えてる)、そしてプリントが山積みされた勉強机。       「夏休みとか何してたの?」       彼とは夏休み中にローソンで一度しか会っていないため、彼がどのように過ごしていたか分からない。だから聞いてみた。       「起きてる内の6割はゲームとマンガ、3割は図書館で勉強して………」       「えっ?、勉強?」       彼がまだ話している途中で、僕はつい口に出してしまった。       まさか学校に来ていなかった分を埋めていたとでもいうのだろうか。
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