第1章 ―行き先―

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僕はとっくに道を間違えてどんどんと迷い込んでいることにとっくに気付いていた だいたい1時間ちょっとで行った先から帰るのに3時間もかかるわけがない 結花璃はお腹が膨れて寝ちゃっている 泰宏:「はぁ… どっちに行けばいいんだろ」 ガソリンも底を尽きそうになっていることに気付き一層焦ってしまう僕 泰宏:「やっぱり僕はダメなんだ… 自分だけじゃなく別の人まで巻き込むなんてどうしようもないや…」 などと自分を責めていると その時後ろから一台の車が走ってきた 止まっていた僕達をすぐに追い抜いていった車を追いかけてクラクションを鳴らした すると案外すぐに止まって僕達の所に来てくれた ?:「君 なんなんだい? 私はクラクションを鳴らされるような事をした覚えはないが」 泰宏:「あ! えっと その…」 ?:「なんだね? 早く言いたいこと言ってくれないか」 泰宏:「その…あ……み…み…」 ただ道を聞きたいだけなのにその勇気すらでない… だから人と関わりたくないんだ ?:「……」 静寂が怖い… その時 結花璃:「道に迷っちゃったの ここらへんの道がわかるなら教えてもらえないかな?」 ?:「なんだそんな事でしたか よろしいですよ だがもう夜も遅いし道は明日教えるので今日は我が家に泊まって行かれてはいかがかな? 我が家はもう少し先にあるのだがどうだね?」 泰宏:「あ…はい ご好意に…甘えさせて頂きます」 結花璃:「よかったね これで旅行っぽくもなってきたね」 僕は不安だらけで完全に旅行に来ているんだということを忘れていたのに結花璃は楽しみにしてるみたいだ…すごいと思う ?:「では 後ろをついてきたまえ」 ガチャ ドゥルルン… よく見たらかなりすごい車だ… こんな林を走るための車ではなくどちらかというと大企業の会社の社長が乗るような車だ 結花璃:「泰宏お兄ちゃん 早く行こ?」 泰宏:「ん? あ、あぁ」 結花璃:「そういえば泰宏お兄ちゃんはなんで結花璃とお話しできるのにあの車のおじさんとは話さなかったの?」 泰宏:「う… 僕は本当に仲の良い人としか怖くてまともに会話ができないんだよ、 それが嫌で人と関わりたくないんだ… だからまた誰かと話す時は助けてね」 結花璃:「うん!任せといて!」 えへへ~ っと頼られてる事が嬉しいのだろうか張り切って返事をしてくれた そして僕は車を発進させた
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