71人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
だれかが送ってくれるわけもなく、
タクシー代もないので、
アヤカは行きと同じように歩いて帰った。
でも行きより時間がかかった。
考え事をしながら歩いていたからだろう。
母と父について考えていた。
それから、これからの自分の生活について。
悪いことが連続というより同時に起きてしまったのだ。
アヤカは絶望している。
不幸すぎて死にたくなる。
家族を失った。
友達も知り合いもいないところにいる。
新しい学校にも行きたくない。
いっそこのまま時間が止まって、
新学期がこなければいい。
何かを考えるのも面倒になってきた。
何もしたくない。
最初のコメントを投稿しよう!