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たまに、昔の夢を見る。
人生初めて失恋した、高校2年の春。
振られたショックで、悲しくて、悔しくて。
私は一人で放課後の教室でうずくまり、誰にも見つからないように身をひそめながら、泣いていた。
教室の窓がほんの少し開いていて、その隙間から春風が吹いてきた。
暖かい風。
でも私の心は真冬で、冷たい風が吹いていた。
死んじゃいたい…。
私はこの時、初めて死にたいと心から思った。
自分が大好きな人が、自分のものにならないのってこんなに辛いんだ。
私以外の女に、私が見たことのない笑顔を、あの人は見せるんだ。
私にとってあの人は特別な存在なのに、あの人にとって私は特別じゃない。
そんなのいやだ。
そんなのいやだ。
私はワガママなのかもしれない。
普段、大人ぶって、空気が読めます、みたいな優等生面して、
でも本当はこんなにワガママなんだね、私。
あはは…、ばかみたい。
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