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お世辞にも庭は綺麗と言えず、手入れをしているが手入れ不足と例えるのが一番であろう。かなりの敷地を持つ館だ、ここの従者達の数は多いだろうが量より質だ、沢山いても役にたたなければ意味が無い。
「……４０点」
ジャックは庭を見てから小さく呟き、ようやく紅い屋敷の扉の前まで来た。この屋敷の中にはどんな奴がいるのだろうか、あの門番の主人はどんな奴だろうか。ジャックは無意識に期待しつつ扉に手をかけてゆっくりと開ける。
「……あらぁ、久しぶりの来訪者ね。私が生まれてからこの屋敷の客なんて同属か食物しか来なかったのに」
吹き抜けの大きな場所、客を迎えいれるには大きい玄関だ。二階に続く階段の踊り場から、一人の少女が此方を見つめて口を開いていた。しかし、身長が低いのでジャックらはギリギリ顔が見えるくらいなのはご愛嬌。
「……すまない、勝手に失礼した」
「勝手に失礼するなら門番を倒さないで頂戴、馬鹿が来ちゃうわ」
少女は手すりを乗り越えて踊り場から下までゆっくりと降下する。“人間には無い大きな羽”を羽ばたかせ。
(羽……いや、翼か)
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