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「……。」
僕の足が止まった
開ききった体のあいつ…
「アジの開きだ…。」
食べたかった
もう買ってしまおうかとも思った
「そっ…そんな大胆な体でこっちを見るなよ!!」
僕は動揺していた
しかし
そんな自分を抑えようと必死に抵抗した
『僕は卵を買いに来たんだ
そうだろ…
こんなに簡単に浮気するような軽い男だったのかよ!
それにこいつはアジの開きでしかないかもしれない
でも卵1パックあればどうだ?
卵焼きだけじゃなく
目玉焼き
スクランブル
オムレツ
チキンラーメンの真ん中
そうだ...
夢がある
ただの卵1パックじゃないんだ
夢の詰め合わせと言っても過言ではないんだ』
そう自分に言い聞かせると
僕はあと少しのところで思いとどまった
「開いてるくせに生意気な奴だ」
僕は思わず声にだしてしまいそうになった
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