序章《永遠の炎》

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そう、この地に住んでいたものは、等しく死にゆく。 殺戮の歓喜に笑う者は、人間。 私たちと同じ人間―― 人間はひたすら、殺し、誅され、殲し、戮されていく。 これが――この有様が、人間にとっての真理(グノーシス)なのだ。 私は、唐突に……そう、悟った。 殺されゆく無数の人の死には、何の意味もない。 屠殺されていく牛馬と同じ。 いや……食らうために屠られるのならば、まだ価値ある死かもしれない。 この街で死にゆく私たちは、それ以下なのだ……。
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