終わりなき世界

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白昼の空に昇る虚ろな月。 放課後の屋上で独り呆然と空を眺めていた俺は、そんな青白い三日月を見つけた。 別に、興味があったわけではなかった。 無意識に眺めていた秋空を渡る雲が、いつしか流れていったから、目が次の引っかかりを求めただけだ。 それでも、仄かに蒼い三日月の色は、俺の目を放さないだけの美しさを湛えていた。
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