‡プロローグ‡

3/5
前へ
/79ページ
次へ
呆然としている男に背を向けると、綾女はその他動きを止めている部員達を一喝した。 綾「……固まっている暇があるなら、素振り三千回だ。 ぼやぼやするな!」 《はっはいぃぃ💦》 その後、剣道部員達は屍の様だったとか…。 一通り指示を終えた綾女は1人、木刀を手に道場を出るとゆっくりと精神統一を始めた。 静かな風が綾女の黒髪を撫でる。 ひらりと木の葉が散ると同時に綾女の木刀が空を切った。 美しく弧を描いて振り下ろされる木刀は、まるで真剣のように鋭くその刀身を閃かせ、ピタリと止まった。 綾女は長く息をはくと、ゆっくり木刀を納めた。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加