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森の木々をかわしながら、翔ぶように駆ける。
綾「(凄い!身体能力がはね上がってる。視力も聴力も瞬発力も…。
動きやすい学ランで良かった。
一度地面を蹴るだけで凄い速さで進むし…楽で良いな…)」
重力が違うのか…等と考えていると、目の前には…。
綾「…でっかい……イソギンチャク?」
うねうねと何本もの触手を伸ばしているイソギンチャクらしき生物に、一瞬固まる。
が、その生物達の間から人間の声が聞こえ、ハッと我にかえった。
どうやらこいつらは、人間を襲うらしい。
綾「(さっきの声も、多分この中の人たちなのだろう)面白い…」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべると、地面を強く蹴り難なく魔物達を飛び越えた。
ふわりと風に包まれながら魔物達と数人の男達の間へと降りる。
男達は呆気にとられながら、闖入者を見つめた。
誰かが聞こえないほど小さな声で、呟くように言った。
???「漆黒の騎士……」
綾女は魔物達を見つめたまま、この男達の中のリーダーであろう人物に声をかけた。
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