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「今日はヒザキに会うからここでいいよ、ありがとう」
コウタくんはわたしの頭をさらさらっ撫でると「気をつけて帰れよ」と言い、車を発進させた。
駅のロータリーを流れていく青いミニクーパー。
わたしはミニクーパーが見えなくなるまで見送ると、改札口に向かって歩こうした。
そこで不意に、派手な格好の女性に話かけらる。
「みく、遅いよ。もう」
「ヒザ…キ?なんかまた派手になったね…」
ヒザキは中学生からの同級生。
彼女はバレー部で昔からスポーツ万能少女。
さっぱりした性格で後輩からすごい人気があったのだ。
それが今や…。
「ヒザキまるでキャバ嬢みたいだよ…?」
金に近い髪の毛、それを盛って目元はバッチリメイク。
軽く露出した服。
全体的になんかキラキラしてる。
ショートカットでスポーツ一筋だった昔の面影はどこ吹く風。
「うるさいわね…。
大人になったんだからちょっとぐらいいいでしょっっ」
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