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きみと出会ったのは偶然でもなく必然でもなく…
「…ってどういう意味なんだろ。
ねぇ、ミク」
そう言って私はスペースキーを押した。
右にスクロールするシーケンス画面。
『あ~~~』
ミクがCの音で声を奏でた。
「そうよね、ミクはしゃべれないんだよね。
う~ん残念」
「じゃ、またね」
私はそう呟くとパソコンの起動を終了した。
パソコンが終了する時、私はいつもミクの壁紙が消えるまで見つめてる。
学校帰りに友達を見送る。
そんな気分。
私が彼女を初めて見たのは地元のオモチャ屋さんだった。
いとこの息子のれいたくんをオモチャ屋に連れて行った時に偶然発見した。
ねんどいろ。
2投身にかわいくディフォルメされたフィギュア。
「かわいいね、これ。
何のキャラクターなんだろう?」
「おねえちゃん、これおねえちゃんと同じ名前だよ?」
フィギュアの足元には手書きポップがあって、
売り切れ必至!初音ミクねんどいろ!!
と書いてあった。
「はつねみく?
ほんとだね、おねえちゃんと同じだね」
「おねえちゃん、ピカチュウ!
ぼくピカチュウがいいよ!あれあれ!!」
レジにピカチュウを持って行く。
その時、不意にまた彼女が目の入った。
「おねえちゃん、それも買うの?」
「うん、なんかかわいいしね。
おねえちゃんと同じ名前だし!!」
それが彼女との出会いだった。
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