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「おつかれ」
見慣れたかわいい青のミニクーパーに乗り込むとコウタくんが一言。
「おつかれさま」
「今日は忙しかった?」
私は小さなレストランkomiyaでバイトしてる。
忙しいのは夕方だけど今日は早番だったから、そんなに忙しくなかった。
「早番だったからそうでもなかったかな。
コウタくんもおつかれさま」
コウタくんはニコりとすると車を走らせた。
コウタくんの会社とバイトが終わる時間が重なる時は、わたしたちはいつもいっしょに帰る。
たわいないことをしゃべって。
流れる音楽。
夕暮れ。
わたしはそんなこの時間がすき。
「ねぇ、窓開けていい?」
「ん、いいよ」コウタくんが返事をすると、わたしは窓を開けた。
夕暮れの風を吸い込む。
流れていく風はわたしの髪の毛を撫でて、コウタくんに流れる。
アイスクリームみたいな太陽は半分以上溶けてしまっていて、
ラジオから音楽が流れてるのを感じる。
『この世界のメロディ
わたしの歌声
届いているかな
響いているかな』
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