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怒ったのは武士の方だ。
「答えろ!貴様は……うわぁぁぁ!」
何をしたのか、雨月がぱぱっと動いただけで武士は吹っ飛び、背中から落ちて苦悶の声を上げている。
雨月の手には例の武士の刀があった。
自身も帯刀しているというのに刀を奪ったのだ。
「曲者めっ」
そんな大それたことをして、許されるはずもなく、周りを他の武士たちに囲まれる。
町民たちは、悲鳴をあげながら逃げるもの、野次馬のように見物するものに別れた。
「馬鹿雨月」
薫が影で罵倒したのは言うまでもない。
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