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審判には親が来ることになっていた。
審判で保護観察、不処分を受けると親と一緒に帰れるようになっていた。
「どうせ保護観察で終るんだから早く終わらせてよ。」
俺は、心の中でずっと思っていた。
審判室に入ると、長椅子があり、親と隣合わせに座る様に言われた。
対面には裁判官、裁判官の右側には調査官、左側には俺の弁護士が座っていた。
いよいよ審判が始まった。
まず起訴事実が読まれ、それから事実確認が行われた。
裁判官「今回の事件についてどう思っていますか?」
「被害者の人には肉体的にも精神的にも大きな傷を負わせてしまいとても反省しています」
俺はとにかく帰りたかったので反省した素振りを見せた。
裁判官「そうですか。ではその反省をしながら更正してもらう為に、あなたを中等少年院に収容します。少年院で自分のした事の大きさを実感するように。以上」
…え?
俺は一瞬、言葉の意味が分からなかった。
いきなり中等少年院?
あり得ない…。
親はとても悲しそうな顔をして調査官は「やっぱり。」みたいな顔をしていた。
俺はそんなことより帰れないと言うショックの方が大きかった。
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