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ここは…夢の中、そのハズだ
見慣れた街中、交差点のド真ん中
時間は…おそらく昼だろう、なのに周りには人っ子一人いない
そう考えれば夢であるのに間違いない…のに
…なんだろう、普通夢の中だったらそんな事考えねーよな?
じゃあ、現実なのか?
…いや、気付けば街中にいたんだ現実なハズがない
試しに頬を軽く抓ってみた……痛い
「…夢じゃ…ないのか?」
取り敢えず、歩いてみる事にした
どこにって?
俺が訊きたい
……どこに行けばここから出られるんだ、さっきからずっと真っ直ぐ歩いているのに、300m程歩く度に同じ交差点
どの道へ進んでも、また同じ場所
「はぁ…はぁ……勘弁してくれよ…
何の冗談だ?」
夢だって思いたいのに、風の吹く音、アスファルトを歩く感触、疲れ、それらにこの世界を現実だと思い知らされる
「………すか」
…ん?
いま何か…
「あな…で…」
…聞こえた、俺が歩いてきた道の方から
俺は走って元来た道を戻る
これは…聞こえてるんじゃない、頭の中で響いている…そんな感覚
でも、確かにコッチの方向から感じる
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