プロローグ。

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空中というものは、世間一般では受け身を取ることは出来ないとされている。 幻想郷における一部例外たちは、空気を『押す』ことによって受け身をとるが、 「がっ・・!」 そのような高等技術が、一介の妖精風情に出来るわけもない。 物量で押す魔理沙の弾幕の前に、チルノは成す術もなく地面に叩きつけられた。 「お前は成長しないな・・そんなんじゃ何時まで経っても私には勝てないぜ」 懐からカードを取り出す魔理沙。 流れるような一連の動作には、今まで数限りなく繰り返してきたが故の歴戦の威厳すら漂う。 感じる。 高密度の魔力の収束。 チルノ程度の妖精では持ち得ない膨大な力。 その――なんと圧倒的なことか。 恋符『マスタースパーク』 幻想郷の湖に、眩過ぎる閃光が走った。
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