小さな漁港

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国産のバイクの時にはほとんどやらなかった荷物満載のツーリング テント、シュラフ、タープ、焚き火台、炭、ランタン。 キャンプ道具は勿論、クーラーボックスも。 ハーレーの後ろにキャンプに必要なモノ全て、どちらかと言うと夜逃げ?と思われそうなほどの過剰な装備で走り出す 目的地は大雑把に《海》と決めた あっちフラフラこっちフラフラ 休憩も何も気分次第 午後3時 海を左に見て走る 時間はまだ早かったものの雰囲気の良さに野営地を探しながらキョロキョロと走り回る あった! 海に面したコンクリートで固められた護岸に民家が立ち並び、そのすぐ脇が小さな漁港になっていた 漁港には小さな漁船が7隻 道路から漁港に降りて行くと軽トラックが1台 禿げ頭にタオルの鉢巻きをしたおじさんがコンテナに座りタコ壺の修理をしていた 港の脇は平らな草地 バイクを止めておじさんに近づいて声をかけた 『あの、すみません。』 『ん?なんだ?』 『そこ(平らな草地)でキャンプさせて貰えないですか?』 『キャンプ?明日も暗いうちに漁に出っから朝うるさくてもいいんならかまね。地面で火使うなよぉ』 『はい、ありがとうございます』 そそくさと荷物を下ろしてとりあえずテントを張った。 するとおじさんはテントを張るのを見ていたらしく手を止めて話しかけてきた。 『慣れたもんだなぁ、今はテントもハイカラなんだなぁ』 『そうですねぇ(^-^)。💡あ、おじさんはもう仕事終わりですか?』 『ん~、アレは仕事でなくて暇つぶしだからいいんだ』 『じゃあ』 そう言ってクーラーボックスから氷で冷やしておいたビールを出して勧めた
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