異常な日常

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まさか、僕が帰るべき家を間違えたのか、なんていうことを考えていると、 「何してるの、太陽。早く家の中に入りなよ。そうじゃないと、不審者って思われるよ」 「なぁ、美琴、一つ確認したいんだがいいか」 「いいよ。私のスリーサイズなら上か……」 「いや、お前のスリーサイズなら知ってるから。そうじゃなくて、お前の名字ってなんだったけ?」 「やだ何、もしかして私の名前忘れちゃったの。いいよ、いや、よくないけど、教えてあげる。私の名前は風華美琴。疾風怒濤の風に中華料理の華、八方美人の美に琴線に触れるの琴。もう、忘れないでよね。もし、次に忘れた時は……ね」 美琴の最後の間に若干の恐怖を感じつつもう一度外に出る。 表札確認。『日向』だな。よし、ここは間違いなく僕の家だ。ということは、つまり、あいつは不法侵入をしたってことだよな。前々からあれだけ不法侵入だけはするなよって忠告しておいたのに。 「美琴さん、どうやって僕の家に入ったのか教えてくれないかな。教えてくれるんなら僕としては非常にありがたいことなんだけど」 忠告を無視したことを残念におもいつつも、どうやって入ったのか、その方法が気になって聞いてみた。 「ちょ、ちょっと太陽、一旦落ち着こうよ。顔がすごく怖いよ。拳握りながら笑顔でこっちに来ないでよ。それって、されてる方から見ると本当に怖いんだからやめて。分かった、分かったから。どうやって入ったのか話すからやめようよ。笑顔はいいけど、拳握りながらはいけないんだよ」 「分かったよ。美琴、余計なことを話さないでちゃんと話してね」 「さすが太陽。やっぱり優しいね。ちょ、ちょっと待ってよ、今から話すから。言っておくけどね、ピッキングとかサムターン回しとかそういった犯罪の類いのことはやってないからね。本当だから、嘘なんて雀の涙程も吐いてないからね。ただ、鍵が開いてただけたからね。だから……その……入っちゃったんだ。そしたらさ……」
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