手品とわたし

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「奇術師にタネ明かしを求めるのは野暮というものですわ」 「むっ…」 「どうかご自分で、お考えください」 そうは言っても、もうだいぶ前のことだ。そんな細部まで覚えてはいない。 今ある材料で考えろということだろうか。私は咲夜の手品の仕掛けを見抜けたことは無い。当然だ、タネが無いのだから。でもあの時は、そんな細工を仕掛ける余裕も無かったはずだ。勢いを鈍らせれば、私を仕留めることもできなかったはずだからだ。 あの時の記憶を掘り起こすのは困難。それ以外の方法となると、一つしか浮かばなかった。 「ねえ咲夜、今度もう一度手品を見せてよ」 「ええ、今度は趣向を凝らした手品を披露しましょう」 「あはは、楽しみにしてるよ」
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