22人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
目を閉じる。もう少しこの心地よい感触と温もりに包まれていたかった。
咲夜の足が痺れて動けなくなってしまいそうだけど、そうなったら私がおぶってあげよう。その時咲夜は、館の皆は、どんな反応をするだろうか。いつも咲夜に悪戯をするアイツの気持ちも、今なら分かる気がする。
私は意地の悪い笑みを浮かべた。きっと悪魔みたいな顔をしていることだろう。
穏やかに訪れる意識の終わりと、やわらかな温もりを感じながら、私は。
―――今度こそは、絶対に手品のタネを明かしてやると、密かに決意するのだった。
最初のコメントを投稿しよう!