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「カードが地面に着いてからと、申したはずですが」
「―――――ク、」
「妹様?」
「クク……アハハハハハハハハ!!」
「?」
「いいわ、あなた面白いわ。まさかここまでコケにされるなんて」
「イカサマは無しですわ」
「クク、よく言うわね。あなたのそれもイカサマじゃない」
「手品ですわ」
「あははっ」
大した度胸だ。
気に入った。この女を殺すのは勿体無い。この館の従者は皆あいつのものだろうけど、こいつは渡せない。私のものだ。殺さない程度にいたぶって、徹底的に屈服させてやる。
先程の〝手品〟。ただの手品ではないはずだ。おそらく何らかの能力か、術の副産物だろう。
「いいわ。あなたのその〝手品〟、それでどこまで対抗できるか、試してあげる」
「そろそろお嬢様のティータイムのお時間なのですが……まあいいでしょう」
女は諦めたように小さくため息を吐くと、慣れた動作で懐中時計を閉じた。
「いいの?間に合わなくなっちゃうんじゃない?」
「間に合わせるまでです」
「たいした自信ね。間に合わなかったら?」
「罰は甘んじて受け入れましょう」
「クスクス、大変ね」
「ええ、本当に」
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