1.プロローグ

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  さわやかな風が吹き抜ける、新緑の春。桜も散りかけた並木道。 未歩(みほ)はひらひら舞う桜の木々を見上げ、小さく呟いた。 「ありがとう」 明日からの自分を応援してくれるかのように、風がそっと背中を押してくれた。 「またね」 桜並木に別れを告げて歩き出す。髪をととのえた左手の薬指には、キラリと光るリングが見えた。  
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