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黒煙が空へと舞い上がる。
高速道路の脇には大破した白い車が一台。
散らばる破片、粉々に砕け散った窓ガラス。漏れた液体がその周囲のアスファルトを濡らしていく。
聞こえてくるのはサイレンの音、人の声、車の走り去る音。
そして、その喧騒にかきけされるような、幼子の泣き声。
その声は確かに、その白い車から聞こえてきた。
「子どもがいる……!」
「早く救助を!」
緊迫した空気に叫び声があがった。と同時に、車の前方部分から火があがる。
そして炎はまたたく間に白い車を包み始めた。
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