3.急接近

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  辿りついた先は、映画館が入ったアミューズメント施設だった。 カラオケやボウリング、ビリヤードにマンガ喫茶、ゲームコーナーなどもあったが、未歩たちが向かったのは映画館。 けっきょく「似た者同士で映画でも見るか」ということになったのだ。 ここでも二人は息が合い、同じ作品を選んだ。 「次は午後からか……。先に昼メシでも食べる?」 しかし腕時計を見ると、まだ11時過ぎだ。昼食にはまだ早い。 二人は昼食の時間まで、ゲームコーナーで暇を潰す事にした。 日曜日のせいか、親子連れの姿が多い。 「わっ。ごめんなさいっ」 「おう、気をつけてなー」 ドン、と勢いよくぶつかってきた子どもに、くしゃっと笑顔を見せる彼。 子どもに慣れてるのかな、と感じた。 「正悟さんって兄弟いるんですか?」 気がつけばこんな質問をしていた。 「いや、居ないよ」 「そうなんだ。なんだか小さい子のお世話に慣れてそう」 「あー。……まあ、ね」 「?」 「いや、未歩ちゃんは? 兄弟」 「え。あ、私も一人っ子です」 「そんな感じ」 と微笑む彼を見て。 ……はぐらかされた? と、感じた。  
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