16.衝突

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  「おとうさん、やめて!」 正悟は浩太を助けようと必死で男の腕にしがみついた。 男は忌々しそうにその腕を振り上げると、バランスを崩した正悟の胸を突き飛ばした。 運悪く―――― 正悟は全開の窓の外に放り出され、 2階の窓から転落した体は、そのままアスファルトに叩きつけられた。 ―――――― ―――― 「あれは……どちらかと言うと助けられたのは俺じゃん」 「でも浩太が来なかったら、俺は首を締められたまま死んでた」 浩太の勇気が、正悟の人生を救ってくれたのだ。 「一生忘れない。そのあとお前が病室でずっと励ましてくれた事。お前の親が、立ち直るまで世話をしてくれた事」 「……」  
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