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上映時間に合わせて館内へ入る。
やがてブザーが鳴ると、会話を止めてスクリーンへと集中し始めた。
未歩はちらりと横に居る彼を見た。
会話がなくても、そこには確かな安心感がある。
映画は有名な監督のSFアクションだったが、その前評判にも違わず、迫力あり涙あり感動ありの素晴らしい作品だった。
エンドロールが流れると、周囲の人たちは次々に出口へ向かった。
だが自分は、エンドロールも作品の一部と考え、最後まで見てしまうタイプだ。
早く出ようよ、とよく明美に急かされるので、けっきょく席を立つことも少なくはないが。
隣を見ると、彼もまた周囲を気にするでもなくエンドロールを真剣に見ていた。
彼と同じ空気の中にいることがすごく心地よかった。
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