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歳は24、都内の賃貸マンションに一人暮らしで、彼女は2年近くいないこと。
いま勤めている会社は高校卒業と同時に入社し、もう7年になること。
クライアントから様々なパーティーやイベントの企画を受け、日夜「企画書の作成」や「打ち合わせ」に明け暮れていること。
学生時代はバスケ部だったこと。
高校は男子高だったこと。
そして、親がいないこと。
2才の時に両親を交通事故で亡くし、身寄りがないため18才まで児童施設にいたのだと言う。
施設は18才で卒園しなければならないので、大学進学という選択肢を諦めて、できるだけ収入の良い会社を選び就職したらしい。
「……」
なにか気の利いた言葉を、と思うけど、そんなものが思い浮かぶはずもなく。
返す言葉に詰まっていると、彼は笑って
「施設育ちって言うとみーんな優しくしてくれて、ある意味ラッキーなんだけどね」
と明るく言うのだった。
彼の瞳の奥に眠るのは、ただの優しさだけでないのかもしれない。
そんなふうに思った。
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