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あの人とのデートから3日が経った水曜日。
未歩と明美は時子の家を訪れていた。
「あっ、未歩ちゃん。いらっしゃい」
「浩太の家じゃないでしょーが」
先に来てくつろいでいた浩太を、時子がぽかりと殴った。
「浩太さんって学生さんでしたっけ。今日は早いんですね」
「未歩ちゃんが来るって聞いたので、早めに帰って来ちゃいましたー」
と、浩太がニッコリ笑う。
どうやら彼はお調子者らしい。
「あはは、そうなんですか。大学6年って、大学院とは違うんですか?」
と軽く笑いながら尋ねると、「流されたー」と彼がまた笑った。
「まぁ、医学部だからね」
「すごーい! 浩太さん、お医者さん目指してるの!? 超意外!」
「てめ、明美。なんつった今」
明美と浩太のやりとりにクスクス笑っていると、時子が言った。
「こう見えても、頭いいのよー。浩太のご両親も歯医者さんなのよね」
「へー、ますます意外!」
「おいこら明美。縫うぞ、その口」
「きゃはは、お医者さんっぽい!」
「うまいこと言ったつもりか」
浩太が明美にチョップして、部屋は笑いに包まれた。
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