4.恋

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  彼の車は、すぐに迎えに来てくれた。 「腹減ったー」 「あんぱんなら ありますよ」 「……いや それ食えないし」 鞄から取り出したのは、UFOキャッチャーで取った、あの景品だ。 二人は笑い合いながら、行き先を決めた。 着いたのはファミリーレストラン。 二人は料理とドリンクバーを頼んだ。 「未歩ちゃんの飲み物、なに」 「オレンジとアイスティーを混ぜてみました」 「……すごいことするね」 「作るのおもしろいんですよ、メロンソーダカルピスとか、オレンジコーラとか」 「美味しいの?」 「微妙です」 「ぶはっ。それやる意味ないだろ」 と掛け合いながら、彼がホットコーヒーにミルクを2滴だけ垂らしていた。 「2滴にこだわりがあるんですか?」 「うん。ほんの少しだけまろやかになるのがいいんだよね」 「ふぅん」 彼のこんな些細なこだわりも自分にとっては大切な発見に思えてしかたない。 ふと、彼がタバコを吸っていないことに気がついた。 「禁煙、がんばってます?」 「まだ3日だからな。1年くらい経たなきゃわからないよ」 そう言ってコーヒーを飲む彼の顔を、じっと見つめた。 (……1年後も一緒にいれる、って言われたみたい)  
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