4.恋

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  「俺、てっきり未歩ちゃんは経験豊富なのかと思ってたよ」 「経験豊富? どこが?」 暖かい車内。 運転中の彼の言葉に、驚きを隠せない。 二人はあれから港を後にして、帰路につくことになった。 今はその帰り道である。 「だって会ったばっかりなのに、すぐに遊びについてくるし。……なんか、そーゆー雰囲気になったりするし」 「っ」 そういう雰囲気、という言葉に何度もキスされそうになったことを思い出し、慌ててそっぽを向いた。 「ほ、他の人となんか絶対しません! それを言うなら正悟さんだって」 「はっ? だ……だからっ、何度も自制しただろーが」 「……」 「…………」 「ふふっ」 しどろもどろになって弁解する彼がなんだか可愛いくて、つい笑ってしまった。 外の景色を眺めると、遠くに高速道路の光が見えた。 夜の闇にも負けない光はキラキラ輝いていて、 これから先 何があっても、この光を覚えていようと思った。  
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