♪オーディション♪

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「で、なんの用なの?兄ちゃん」 こんな時間にかけてくるなら、それなりの理由があるのだろう。 ……いや、あって欲しい。 『それなんだけど、携帯忘れちゃってさ。無いとマジに困るんだよな』 「……鈍くさっ!」 携帯を家に忘れるなんて、ありえないと思う。 思わず本音が零れてしまい、電話の向こうが沈黙したのに気付くのが遅れた。 『……真琴』 いつもより低い声で名前を呼ばれ、ビクッとする。 (……ヤバイ。地雷踏んだかも) 私は恐る恐る兄ちゃんの次の言葉を待った。
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