♪オーディション♪

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「……ごめんなさい」 自分でも何に謝っているのかわからないが、兄ちゃんが折れることがない以上、こっちが折れるしかないだろう。 『ふ~ん。悪いと思ってるんなら、俺の頼みを聞いてくれるよな?』 「は?」 呆気に取られて、開いた口が塞がらない。 我が兄ながら、ヤクザよりもタチが悪いと思う。 『真琴はいい子だから、携帯スタジオまで届けてくれるよな?』 『いい子』って所をわざとらしく強調しないで欲しい。 そんなこと言われなくても、私に拒否権なんてないのはわかっているのに。
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