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『ね、真琴?』
「……わかったって」
念を押してくる兄ちゃんに、私は渋々了承した。
横暴だと思いながらも、どんな我が儘も許せてしまう何かが兄ちゃんにはある。
まぁ、それ以前に5つも年下の妹なんて、ただの下僕としか思われていないのかもしれないが……。
『じゃ、よろしくな』
あっさりと電話が切れ、私は深いため息を吐いた。
(よく考えたら、スタジオって、電車で一時間はかかるじゃん!!)
はたと大事なことに気付いたが、今更取り消せるわけがない。
私はこの時、電話に出たことを後々本気で後悔することになる――。
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