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「急に声をかけてごめんね。俺、あんまり電車乗ることがなくて……。ここまで行きたいんだけど」
彼が持っていたガイドブックを覗き込むと、たまたま私と目的地が一緒だった。
そこに行くまでは、乗り換えが何回かあるし、初めての人には、確かに分かりにくいかもしれない。
「ああ、そこだったら……」
私は簡単に説明して、彼と別れた。
ホームで電車を待っていた私は、別れた後も彼にじっと見つめられていたことに気付かなかった。
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