♪オーディション♪

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「急に声をかけてごめんね。俺、あんまり電車乗ることがなくて……。ここまで行きたいんだけど」 彼が持っていたガイドブックを覗き込むと、たまたま私と目的地が一緒だった。 そこに行くまでは、乗り換えが何回かあるし、初めての人には、確かに分かりにくいかもしれない。 「ああ、そこだったら……」 私は簡単に説明して、彼と別れた。 ホームで電車を待っていた私は、別れた後も彼にじっと見つめられていたことに気付かなかった。
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