序章

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大海原を大型の船が進んでいた。 湿った海特有の風が吹いていて空を見上げれば、雲一つない青空が広がっておりその中には海鳥達の姿も確認できた。 海は今日も穏やかで船に乗っていても、あまり揺れは感じられない。 今日も船は順調に向かって航海していた。 そんな船の甲板に、肩位まである黒髪を風になびかせ、海を見ながらぼーっとしている少年がいた。 少年は中性的な顔立ちをしており、身長は同年代の者と比べてやや低いようだ。 ずっと海を見ていた少年ははぁ、とため息を吐いて小さく呟いた。 「暇だ」 と。
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