春語り

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「気持ちいいよなぁ。なぁ?小春。」   と、石川 道(いしかわ みち)が隣の幼馴染みの桜木 小春(さくらぎ こはる)に話しかける。   「本当。春は気持ちいいわね。」   「はぁ?なに言ってんだ?オナ●ーのことに決まってんだろ、ぐべらぁ!?」   道にムエタイの世界ランカーと同等の蹴りが炸裂する。   「朝から下ネタ言ってんじゃねぇぇぇぇぇ!殴るぞ!?」   「いや、ちょ、おま。殴ってねーし、すでに蹴られてるし。」   ハッと我に帰り、時計を確認する。   「大変!遅刻しちゃうじゃない!走るよ!」   「いや…待て。お前に言っておきたいことがある。大事な話しなんだ…。」   「え………。急に何よ……。」   「もっと蹴ってください。」   吹っ飛んだ。しかし、道の顔は至福の笑みだった。 この春に二人は桜ノ宮高校2年生に進学した。二人は   「お前ら付き合ってんの?」   なんて言われるくらい生活の時間を供にした。しかし、二人は   「いや、ありえねぇし。」   と、自覚ナッシングパパ39歳状態。こんな青春時代。道はいつまでも続くと思っていた。   「……。だから、さ。大きすぎてもダメなわけよ。実際。」   学校に着き、いつものメンバーと雑談を始める道と小春。   「馬鹿野郎!デカいってのは男のロマンだ!それをなんでわからねぇ!?」   と、道と【大きさ】で口論しているのは、友達の荒川 策(あらかわ さく)。   「くそぅ、なんでわからねぇんだよ、策……。おっぱ●は並くらいが一番いいんだって……。お前ならわかるよなぁ!?小春!?」   「あたしに話しを振るんじゃねぇぇぇぇぇぇ!」   「大変だねぇ。変態な旦那様をもって…。(笑)」   と、小春に同情するのは、一ノ倉 麗(いちのくら れい)彼女もまた、いつものメンバー。   「ば、馬鹿言わないで!誰が旦那よ!」   と、小春は力いっぱい否定する。…、何もそんなに強く否定しなくてもいいのに…。道はちょっとショックだった。 キーンコーンカーンコーン……。 と、朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴る。   「席につけー」   と、担任の金倉 大悟(かねくら だいご)が言い、また、いつものなんともない学校生活が始まった。
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