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「きりーつ、れい。ありがとうございました。」
委員長の小春が号令をかけ、みんなもそれに続く。
「っしたぁー!」
退屈で眠くて楽しい学校の一日は終わった。しかし、まだ終わらない生徒達もいる。そう、部活動の時間だ。
「ぃよっし!行くぞー!」
策がみんなに声をかける。道、策、小春、麗の四人はバスケ部に所属していた。もっとも、小春は女子部の方だし、麗は男子部のマネージャーだが。
「総体に向けて、頑張ろうぜ!な、小春!」
と、道が小春に言う。
「私がこん中で一番男子部に関係ねーだろうがぁぁぁぁぁぁ!?」
すかさず小春が道に突っ込みをいれる。
「なに、言ってんだ。桜ノ宮高校男バス一のパワープレイヤーが!って冗談です。……ぎゃぁぁぁぁぁ!」
道に小春の蹴りが入る。麗いわく。目がついていける速度を超えた蹴りだったと言う。
「馬鹿なこと言ってないで、さっさと部活に行けぇぇぇ!」
「くっ…小春ぅ…。もっと激しいのを…。」
ぶっ飛んだ。顔から床に落ちた。しかし、道は満面の笑みだった。
…、
「……それと、各自体調管理に気を付けるように。」
監督からの言葉が終わり、
「はい!ありっしたぁ!」
キャプテンの号令で今日の練習が終わりを告げる。
「ねぇ、道くん。ちょっといいかな?」
麗が道に話しかける。
「好みの胸のサイズはCカップです。」
「いや、やっぱ、D以上だろ。」
策が話しに割り込んできた。ちなみに小春はBで、麗はCだ。
「い、いや、そうじゃなくて……その……。」
「「?」」
「小春のこと、その、どう思ってるのかなって……。」
「まぁ、……。あれだな。友達以上友達未満だな。」
「え?」
「道よぉ。その曖昧な態度やめたほうがいいんじゃねぇの?」
策が真剣な顔で道に言う。
「なんだよ、急に…。」
道はたじろいだ。
「お願い。真剣に答えて。」
麗も、もっと真剣な顔で問いつめる。道は観念したかのような顔をして、
「何度も言ってるように、みんなが期待するような関係じゃないよ…。まぁ、俺の恩人ってところだ……。」
「「恩人?」」
二人がほぼ同時に聞く。すると道は、複雑な顔をして、
「ごめん。この事は俺の気持ちが整ったら言うよ……。結構、重いことなんだ…。」
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