春の風と絶望への一歩

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日曜日。四人は町に集まっていた。事の発端は、金曜日の午後9時。珍しく麗が三人にメールをうっていた。   「日曜日、みんなで映画でも見に行かない!?」   もちろん、三人は二つ返事でOKした。   「やーやー。今日は何見ようか?」   策が言うと、いつも通り、道がボケる。   「みんなでAV鑑賞だな!ぎゃふらぁ!?」   「こんな公共のど真ん中で、んなこと言うなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」   珍しく蹴りではなく右ストレート。道は   「あぁ、たまには拳もいいかも…。」   と、言う極上のMっぷりを見せる。   「ふ、二人とも…。恥ずかしいからやめなよ…。」   麗が止めに入り、やっと一方的な喧嘩は終わった。   「えー、もう終わりー?」   「後で死ぬくらい殴って あげる。」   「やったぁー。」   策と道がボケて、小春が道と喧嘩して、麗がそれをとめる。本当にいつも通りで、楽しくて、幸せな……暖かな春のような時間だった。春が……いつまでも続けばいいのに……。そんなことを、小春は一人考えていた。   「って!恋愛ものかよー!?」   と、策が文句を言うと、道が続く。   「あぁ、女の子が一人しかいないグループがこんな映画をみるのは辛いものがある。」   「わたしも女の子にカウントしろ!」   小春が道にローキックをかます。 麗いわく。これを喰らって立っているものはいないだろう。と、いふ。   「いてぇぇぇぇぇ!もっと、もっとぉ!ってか、誰もお前だなんて言ってねぇだろうが!?」   「いーえ、あきらかにわたしを見ながら言ってた!」   やばい。そう感じた麗はすかさず止めに入る。   「ふ、二人とも、みんな見てるよ……。」   麗が止めに入り、やっと二人は我にかえり、顔を真っ赤にして下向きで席に向かった。   「あーぁ、やっぱこんなチビで性格ブスな女より、清楚で胸もほどよい麗ちゃんみたいな娘がいうよなぁー!彼女にするなら、さ!」  小声で、しかし、しっかり聞こえる声で道はブツブツ文句を言い、怒りを表していた。   「あらー、こんなブッサイクでルックスもダメダメな男より、かっこよくて性格も優しい策くんのような男の子がいいわよね~。彼氏にするなら、ね!」   小春も…珍しく言葉で反撃していた。
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